ワイナリーはオレゴン州のヤムヒルカウンティーにあります。ワインメーカーのピーター・ロスバックは凝縮した密度の高いワインを造ることで有名です。オレゴンのワイン業界では知られた存在でで、他のワイナリーのコンサルティングも積極的に務めています。
ピーターの造るワインのほとんどがシングルヴィンヤード(単一畑)のワインで、契約ブドウ畑も厳選しています。ピノ・グリとピノ・ノワールは《ウィラメットヴァレー》と《フッドリヴァーヴァレー》から、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、ジンファンデルなどは《コロンビアヴァレー》のブドウを使っています。近年ではニュージランドのマルボロでもピノ・ノワールとソーヴィニヨン・ブランを栽培、年に数回ニュージーランドに渡ってワイン造りをし、ニュージーランドでボトリングまで終わらせたものをオレゴンに送っています。
工程へのこだわり
ピーターのワイン造りは細部にまでこだわっています。ブドウはすべて手作業で2〜3度選果され、丁寧に除梗された後に小さな発酵タンクに移されます。手で一日に数回パンチダウン(=ワインと澱を攪拌する作業)、その後フレンチの小樽(新樽および2回目の樽)で熟成されます。シングルヴィンヤード中心なので、造られるワインは少量多種類。2009年リリースされたものはピノグリ、ゲヴェルツトラミネール、ソーヴィニヨン・ブラン、カベルネ・ソーヴィニヨン、ピノ・ノワール、メルローそしてメリタージュワインとポートと幅広く、20種類以上にもなります。
ヴィンヤードへのこだわり
シネアンが契約している主なブドウ畑として《レゾナンスヴィンヤード》と《セリロヴィンヤード〉があります。
《レゾナンスヴィンヤード》はオレゴン州で最も優れたピノ・ノワールの畑の一つであり、2004年にAVA(政府認定のアメリカブドウ栽培地域)に認定されたヤムヒルーカールトン内にあります。収穫している木はほとんどが1980年代に植えられたもので、国際的なバイオダイナミック(有機・無農薬農法)の承認機関からデメター認証*を受けています。
《セリロヴィンヤード》はワシントン州の中で最も古いヴィンヤードのひとつで、2004年にAVAに認証されたコロンビア・ゴージ内にあります。気候と土壌の特質からユニークな味わいを持ったぶどうを産出することで有名です。ピーターはこのヴィンヤードを「ワシントン州の中でぶどう品種とテロワール(=土壌、風土)が一番マッチしている」と絶賛しています。
*デメター認証=世界で最も基準が厳しいオーガニック認証のひとつ