このワイナリーは《ホップ・キルン》というの名の通り、1905年にホップを加工する工場として産声をあげ、1975年に元の建物をほとんど残してワイナリーに生まれ変わりました。ホップ・キルンのワインが劇的に進化を遂げたのは2004年。現オーナーのデービット・ディ・ロレットがワイナリーを買収してからのことです。ロレットはテロワール(=その土地の土壌、風土)を生かしたプレミアム・ワインを生産する事を目標に自社畑を改良。ブドウはテロワールに合った品種に植え替え、新しいプレミアムワインシリーズを生み出すなど、《ホップ・キルン》は新しい「高品質ワイン生産」のワイナリーとしての歴史を刻み始めています。
テロワールを活かしたぶどう栽培
《ホップ・キルン》はロシアン・リバー・ヴァレーに248エーカーの自社の畑を所有していますが、現在ブドウが植えられているのはの43エーカーだけ。テロワールを生かすために、ピノ・ノワール、シャルドネ、ピノ・グリージョなどを栽培しています。その他のブドウはソノマ、エルドラド、メンドシーノの契約畑から購入しています。今後は作付面積を拡大していく予定で、様々なクローンのシャルドネ、ピノ・ノワールの栽培を予定しています。
父のぶどう畑で育った若きワインメーカー
2007年からワインメーカーを勤めるチャールズ・マンスフィールドは若干24歳。大学の醸造学部を卒業後、2006年から《デビッド・ジラルド・ヴィンヤード》でアシスタントワインメーカーを務めていましたが、ロレットの誘いでホップ・キルンへ。ロレットは長年マンスフィールドの父の畑からブドウを購入しており、チャールズの存在を知っていました。高校生になった彼が本格的にワイナリーを手伝うのを見てその才能を見抜き、その後のワイン造りの手腕に惚れこんでの抜擢でした。〈ホップ・キルン・ワイナリー・シリーズ〉は、彼の《ホップ・キルン》での「歴史」そのものといえるシリーズで、なかでも“サウザンド フラワーズ”はカリフォルニアステートフェア・ワイン・コンペンションで〈ベスト・オブ・ザ・クラス〉を受賞するなど、非常に高い評価を得ています。