南アフリカ出身のオーナー、レスター & リンダ・シュワルツ夫婦が1994年に設立。初ヴィンテージは2001年と若いものの、ワイン専門誌「ワインスペクテーター」ではコンスタントに90点以上を獲得、ロバート・パーカーが注目するピノ・ノワールのひとつに選ばれています。
手作業にこだわり、100%自社畑のブドウを使用
ワイナリーはカリフォルニア州フォートロス市。28の小ブロックに分かれた、トータル44エーカーの畑を所有しています。1エーカーあたりの収穫量は1〜3トン程度と非常に少なく、シャルドネが34エーカー、他にピノ・ノワールとピノタージュを栽培しています。
収穫時にはブドウの傷みを最小限に抑えるため、早朝の間に小さな容器で収穫、ワイナリーに運び手作業で選果します。なるべく人工的な要素を廃し、100%自社畑のブドウを使ってブドウそのものの力を生かすワイン造りをしています。
《フォートロス・ヴィンヤード》はカリフォルニアでも1、2を争う気温の低いぶどう産地のひとつ。高地に位置しているため海風が常に吹いており、その事が気温の上昇を防いでいます。同時に日中は太陽の光に恵まれているため、高品質なぶどうを作り出すことができるのです。地形的に厳しい条件のためすべてが手作業でおこなわれ、各ブロックではそれぞれ違う方法でぶどうが栽培されています。
ワインメーカーは2003年まで創業時のフレッド・シェラールが担当し、その後エド・カーツマンが2004〜2007年まで担当、2008年からはヘレン・キプリンガーが担当しています。
エド・カーツマンはカリフォルニアの若手ワインメーカーの雄。《シャローン・ワイナリー》出身で、テスタロッサでワインメーカーとしてピノ・ノワールを一躍有名にしました。現在は自分のブランドでワインを造っていますが、コンサルタントとして今もフォートロスの醸造に関わっています。
ヘレン・キプリンガー(右上写真)は、長年《フィドルヘッド・ワイナリー》で『ワイン造りの女神』と呼ばれるハイディ・バレット(ナパ・ヴァレー・ワイン・オークションで史上最高値を付けたワインのワイン・メーカーとしても有名)と一緒にワインメイキングをやってきた人物。その実力はフォートロスにおけるワイン造りにも存分に発揮されています。