ダンシング・コヨーテは、カリフォルニア州内陸のクラースクバーグにある家族経営のワイナリー。サクラメント・ヴァレーのデルタ地域で5代にわたって農業を営んできたマコーマック・ファミリーが所有する《マコーマック・ウィリアムソン・ワイナリー》から派生して出来たワイナリーです。
クラークスバーグは知名度は低いものの、古くから葡萄の栽培農家が多い地域。近年はその理想的な気候と土壌を活かしてナパやソノマにも負けない質の高い葡萄を生み出す生産者が増え、クラースクバーグの名をワイン評論家やグルメたちに知らしめました。植物の成長期である夏の間、日中暑く夜は涼しいサクラメント・ヴァレーの気候は、葡萄にとって理想的な生育環境。西側のサンパブロ湾から吹き込む涼風と、東側のシエラネヴァダ山系からの冷たい川の水が葡萄に濃密な熟香と豊かな酸味を与えてくれます。ここでは去年のような猛暑の中でさえ、海からの穏やかな風が葡萄に魔法をかけてくれるのです。
クラークスバーグで最高のワインを造る
近年、自らのレーベルで素晴らしいワインをリリースする葡萄園が次々と現れているこの地域でダンシング・コヨーテ・ワインの生産が始まったのは2001年。ワインメーカーは《マコーマック・ウィリアムソン》のワインも手がけるチャド・ジョセフです。彼が造った2007年の《ダンシング・コヨーテ・アルバリーニョ》は、世界的に有名なワイン専門家・オズ・クラーク氏が推薦するカリフォルニア・ワインの中で最高の四つ星★★★★を獲得しています。
ダンシング・コヨーテの醸造所は穀物倉庫として1868年に建てられたもの。1900年代初頭にワイナリーに改造され、ここで造られたポートワイン、ブランデー、ヴィネガーなどが評判になりました。現在のワイナリー全体の面積は14000平方フィート以上。そこにはワインを保存する温度管理された倉庫や温度と湿度が管理された樽の倉庫、75000ガロン分のステンレスタンクなどがあり、今後生産量を増やしていくのにも充分です。
ダンシング・コヨーテの目標はこのエリアで最高のワインを造ること。エレガントで飲みやすく、いろんな料理によく合い、クラースクバーグの風土と葡萄の特長を活かしたワイン…そんなワインを造るために、すべての過程においてきめ細やかな作業を施し、この畑特有の自然な葡萄の風味を大切にしています。
名前の由来_コヨーテの伝説
その昔、毎年草木が萌え始める頃になると、近くの山のふもとからコヨーテの群れがやってきてこっそり畑にしのびこみ、さんざんわるさをした後みんなで脚を踏み鳴らして踊り、月に向かって吠えていた、という伝説があるそうです。ダンシング・コヨーテというユニークな名前と愛らしいイラストは、この伝説に由来しています。