「鰻はやっぱ蒸しだよね」
「焼きは固くってさ」
「蒸した鰻はふにゃふにゃで嫌なんだよね」
鰻の「蒸し」か「焼き」かの論争は、卵焼きは塩味か甘味かの論争くらい不毛なので、
私はこの話題が出たら、得意の「ああ、そうなんですね〜」を連発する。
(私がそうなんですね〜と言い始めたらごめんなさい(笑))
「蒸し」か「焼き」かというのは、鰻ラバーズにとっては大問題らしい。
その点、濱新さんの鰻は両者を唸らせる。
どちらにも文句は言わせない絶妙な仕上がりで出してくれる。
横浜育ちの濱新三代目・山菅浩一郎さんは、代々継承された濱新を継ぐ前に
京都に修行に出た。そこで関西の「焼き」を見て、元々の関東の「蒸し」と合わせることとなった。いい感じに蒸して、いい頃合いに焼く。
どちらの良さも取り入れた柔軟さと頭の良さと頃合いをみつけたセンスの良さは悔しい。
だから「ずるい」。
ぐうの音も出ないほど美味しい。やっぱ「ずるい」。
この度、濱新さんにお勧めしたワインは、
オーストラリアのオーガニックのワイン「オーガニックワン」のシャルドネとシラーズ。(輸入元ファームランド)
開墾40年以来ずっと無農薬の葡萄栽培とナチュラルなワイン造りをしているボニック家のワインです。シャルドネは蜂蜜やバターのようなリッチなコクのあるタイプで、白でも鰻のたれには絶妙。シラーズは完熟した葡萄をそのまま食べているかのようなジューシーな果実味とバランスの良いタンニンが心地よいのが特徴。ワインは色合わせと言われるくらいなので、醤油だれには赤。しかもタンニンが優しいので料理に優しく寄り添う。(私は自己主張するワインより、半歩後ろに下がるようなワインが好き)
濱新さんの鰻には90年近い歴史がある。その物語が書かれているのは、こちらのHP。
http://hamashin.org
さて、悔しいほど美味しい鰻を食べに行かれる前にご予約された方がスマートかと。
私の好きな注文の仕方は、玉子焼きと肝焼きとうな重ともちろんワイン。それから三代目のトークがかなり面白いのでカウンター席を必ずお願いする。6月からいろいろな事情があってちょっとだけ値上がりするそうだから、今のうちに行くとお得。
鰻だけで勝負する三代目のその姿もカッコ良くてずるい(笑)
(アクセス) 神奈川県横浜市中区元町3-143 045-681-1808
石川町駅、元町中華街駅徒歩10分くらい。汐汲坂に入り左側の小さな路地を入った ところ。表に看板が出ています。
(営業時間)【平日】昼の部:11:30~14:30夜の部:17:00~20:30
【土・日・祝日】昼の部11:30~14:30夜の部:15:00~20:00